誰もが銀河からこぼれてる

光っても、光らなくても、そこにある

24.4.4 春のかたまりのような

 仕事をしていれば大なり小なりやってらんねーですよという事態に遭遇するものだけど、最近のわたしはやってらんねーですよ度が高めだった。そこに特大のやってらんねーですよが降ってきたので、仕事の帰りに寄り道することにした。

 いつもかばんに入れているカメラ*1を首から下げ、会社の最寄り駅近くを歩く。持病の関係で時短勤務になってから初めての春だ。いつも曲がらない角を曲がった先には住宅があって、コインパーキングがあって、公園があった。

 公園の花壇はよく手入れされていて、まさに今こそ咲かないと!と言わんばかりの花で溢れそうだった。桜は五分咲きくらい。60すぎくらいの夫婦が桜の下のベンチに座っていて、二人で持参したタンブラーのお茶を飲んでいた。その夫婦はたまに言葉を交わすけどずっと喋っているわけではなく、ただそこにいた。わたしが写真を撮っている間も、帰るときもずっと。

 あまりにもおだやかで、春のかたまりのような公園だった。わたしの生活から少し外れてみただけで、こんな場所に来られるのだな。

*1:RICOHのGRⅡ