誰もが銀河からこぼれてる

光っても、光らなくても、そこにある

2025年の手帳会議をする

手帳会議とは来年使用する手帳を決めるためのひとり会議のこと。最近、いろんな手帳に手を出すようになったこともあって、今回無事開催された。鬼には笑われたかもしれないけど、すでに世は手帳シーズンなのだ。開催が遅いくらいだ。

 

◆書きたいことを書き出そう

わたしの場合、「日々のタスク管理」「短歌・川柳」「アイデアや計画」の三つが主になる。スケジュールがないのはスマホアプリのTimeTreeで管理してるからである。

日々のタスク管理はバレットジャーナルを取り入れているんだけど、わりと合っているみたいなのでこのまま継続する。「短歌・川柳」「アイデアや計画」は1冊のノートに書いているけど検索性が低い。どうしよう、というところにコモンプレイス手帳というやり方を知り、導入してみることにした。

 

◆用途に合わせて使う手帳を決めよう

バレットジャーナルは去年の誕生日に買ったシステム手帳で継続する。ツバメノートのリフィルにどんどん書いていくのがお気に入り。システム手帳でバレットジャーナルをしているのはデイリーログ+マンスリーログメインだからです。

コモンプレイス手帳はここ2年自作トラベラーズノート(レギュラーもパスポートも作った)だのさんざん放浪した挙げ句、それまで5年使い続けてきたMDノートダイアリー文庫版に戻ることにした。この書きやすさとシンプルさとサイズ感しか勝たん。用途別に分けたトラベラーズノートも使ってみたけど、同じMD用紙とはいえ、ぱたんとフラットに開けないところが気になってしまった。MDノートダイアリーをやめた理由は検索性の低さからだったんだけど、コモンプレイス手帳を取り入れれば解決するはず。でないとどれが川柳でどれが短歌の切れっぱしかわからなかったのだ……。

ちらっと出てきた自作トラベラーズノートパスポートは半券などの記録用に使っていくつもり。あとスタンプ帳。

ちなみに手帳デコはしない派です。


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◆手帳会議をしてみて

ほかの手帳を使ってみないことには、自分がもうすでに一生の手帳に出会っていることに気づかなかったと思う。そして、自分が手帳会議をするようになるとも思ってなかった。やってみると楽しいね、手帳会議。手帳術も、突き詰めずにゆるく取り入れるのがわたしには合ってるみたいだ。そういうことを確認するためにも、手帳会議をやる意味があったな。新しい手帳や文具を見るのはわくわくするし。

ということで、手帳派の方は手帳会議をやってみませんか。

GR meet47 滋賀に行ってきた日のこと

 リコーが出しているコンパクトデジタルカメラ、GRシリーズを初めて手にしたのは2011年だった。GR DigitalⅣ発売を前に値下がりしていたGR DigitalⅢが最初のGRで、さらに言うなら写真を趣味にしようと手にした最初のカメラだった。一眼レフではなくGRDⅢにした理由は「気軽に持ち歩ける」「単焦点だから自分の足で動いて撮ることを覚えられる」「見た目がかっこいい」「知る人ぞ知るカメラっぽい」といったところだった、気がする。
 ともかく、そうしてGRシリーズを愛機にしてから13年。干支一回り以上経ってようやくGRのリアルイベントに参加できた。それが今回のGR meet47 滋賀である。タイトルの通り、47都道府県を回るこのイベント、滋賀会場は36回目であった。36回目にしてようやくの初参加である。本当は地元の愛知も、近隣の岐阜や三重も参加したかったのだ。だけどどうしても日程の都合が合わなくて泣く泣く見送っていた。愛知の日なんか、自分が写真を撮るどころか、病院でエコーを撮られていたのである。まだ行っていない府県を考えつつGR blogをにらめっこする日々。行けそうなところなら多少の遠出でも行くつもりだった。滋賀の会場が近江八幡だと知ったときはガッツポーズをした。JR在来線で…!行ける…!つれあいにも「行っておいで!」と言ってもらい、申込開始日の20時ちょうどにゼロ打ちするかのように申し込み、晴れて参加できることになった。

 

 名古屋からJRで近江八幡へ。新幹線こだまを使う選択もあるのだろうけど、時間と費用を勘案して在来線で向かうことにした。東海道線米原直通だったので、乗り換えが最低限で助かった。なにしろこの日はひんやりグッズをしこたま持ち歩いていたのだ。
 会場のアンドリュー記念館に着き、GR Ⅲx HDFのレンタルを受け取る。せっかくなら使ってみよう!とお願いしていたのだ。ヴォーリズ建築が会場という贅沢さである。フォトウォーク前に今回の参加者の属性をざっくり教わり、講師の桃井一至さんから近江八幡のスポットの説明を受ける。愛知から・初参加・使用歴10年以上のわたしは大多数ではなくておもしろかった。初参加よりリピーターが多いなんて!桃井さんはまさにヴォーリズ学園に幼稚園から通われていたということで、とても詳しくレクチャーしていただけた。前に短歌の友人からヴォーリズ建築の話を聞いていたこともあり、別の趣味と別の趣味とがつながる思いだった。

 

 フォトウォークに出て、まずは桃井さんの案内ではんこ屋カフェの江湖庵さんへ。どうしても仕事道具ごしにはんこを彫る手を撮りたくて粘る。GRはⅡまでとⅢ以降で操作系が異なっていることもあり、時間をかけて粘ってしまった。とても素敵な書とはんこに満たされた空間で、ここではんこをオーダーしてみたいなって思う場所だった。懇親会のケータリングはここのごはんだよ、と聞いてがぜん楽しみになる。
 次に向かったのはヴォーリズ学園。応対してくださった学園の方はかつて桃井さんの担任をしていたそう。OBの桃井さんの話を聞きながら歩き回り写真を撮るという贅沢な時間を過ごした。ヴォーリズ建築って曲線の使い方が本当に魅力的で、細部にまで行き届いた意識が感じられる。体育館もとてもよく音が響くつくりになっていた。
 ここからは自由行動。体育館で写真を撮らせていただいたYさんとお堀を目指す。学園前のバス停のかわいさに見とれて、「たぶんこっちだと思う」という方向に歩く。時間もあるからね、とYさんにGoogleマップを見ていただいたのだけど、「普段はマップなんて見ないで歩くんだけどね」とおっしゃられていて「わたしもです!」と答えていた。だって、時間がある限り、市街地なら歩いていればどこかには着くはずだから。「行けるかな?」と言いながら細い細い道を抜けていく。Yさんは神戸から参加されていて、もちろん初対面だったのだけど、一緒に楽しく歩いてくださって嬉しかった。
 Yさんとお堀に行くと、ほかの参加者の方々もいらっしゃった。お堀を挟んで写真を撮る形になったりして、イベントでフォトウォークする楽しさってこういうところなのかな、と思った。思えば過去のフォトウォークも、友人と二人で歩くことはあっても、大勢で歩いたことはなかった。新しい楽しみを見つけた。
 お堀から会場近くへ戻り、Yさんとカフェでランチする。Yさんのハムエッグランチのハムがしっかり分厚くて、「まるでGRのように堅牢なハム…」と言って二人で笑っていた。講評会に3枚提出する写真をざっくりセレクトしてお店を出ると、向かいに文具店があった。ここは万年筆趣味が激しかった頃にいつも見ていたブログの文具店では…?と扉を開けると、果たしてそこは万年筆ブログを書いているスミ利文具店さんだった。こんな形で出会えるなんて。嬉しくてびわこ一筆箋を買った。おつきあいいただいたYさんもとび太くんノートを買っていた。ほくほくした気持ちで会場に戻ると、隣のAさんが「桃井先生が言ってたコロッケ買ってきたんですよ~」と言っていた。お肉屋さんのコロッケ、すっかり食べ損ねてしまった。

 

 講評会は参加者のあいうえお順で進んだ。桃井さんの講評はおもしろく、時に笑いを挟みながらも参考になるアドバイスがされていた。主題をはっきりさせるといいよ、とか、あの写り込みは削った方がいい、とか、カメラの向きを下向けるといいよ、とか。日ごろいかに頭を使わず撮っていたかを思い知ったのでした(特に構図面で)。
 わたしが提出したのはこの3枚。

1枚目、HDFモデルのお手本のようとのこと。逆光がふわっとして、人物も建物も活きていると言われて嬉しい。体育館から外を撮るYさんが素敵すぎてシャッターを切らずにはいられなくて、あとから「撮らせてもらいました~」とお話ししたんだけど、気に入っていただけてよかったな。
2枚目、これは視線が上下に分散してしまうのだけど、どう解決すればいいのかずっと考えてますと言われる。上下に分散するところまで意識を配れてなかったな、という根源的な問題に気づいた。思えばこういう写真を撮りがちかもしれない。
3枚目、桃井さんいわく「撮りたいなーと思って見てたら粘っていらっしゃったので撮れなかったんですけど、これが出てきて安心しました」。わたしはひたすら平謝り、場内爆笑。とはいえHDFの効果を活かしつつ構図もよくまとまりのある1枚になっているとのこと。今回のベストショットに選んでいただいた。

 

 桃井さんのスライド&トークでおもしろかったのは、「撮影の合間にGRで撮影してる」という話。実際、GR meet47でお会いした方に聞いてみると、みなさんレフ機かミラーレスもお持ちという方ばかりだった(わたしも含めて)。でも、レフ機で撮れない写真がGRなら撮れるという実感は確かにある。歩きながらノールックでシャッターを切るなんて、レフ機やミラーレスでもやろうと思えばできるだろうけど、気軽にやってみようと思わせてくれるのはGRだからこそ。桃井さんの作例を見て、フルプレススナップをもっと活かしてみたいな、ハイコントラスト白黒にももっと挑戦したいな、と思った。
 懇親会では講評会の時のわたしの写真を覚えていてくださった方に話しかけていただいて感激した。自分の写真を見てもらう機会があまりなく、フィードバックをもらうこともなかったので、今思い返すと泣きそうなくらい嬉しかった。「個展やグループ展されてるんですか?やられてないならグループ展やってみるといいですよ!」とも言っていただけたので、グループ展…いつかやれるといいな…ずっとソロで写真撮ってきたから…。江湖庵さんのケータリングはめちゃめちゃおいしかった。あっという間にお料理がなくなっていた。いつかランチ行きたいなぁ。

 

 胸いっぱいのところでお開きになり、Yさんとバス停行って帰りましょうか!と話していたらAさんが「車で来てるんで駅まで送りますよー」と言ってくださった。ありがたく甘えることにしてお堀の橋を渡ると、ちょうどマジックアワーのお堀がふわっと浮かび上がってきた。3人それぞれのGRを取り出してお堀の写真を撮っていたこと、ちょっとしたことだけどずっと忘れないような気がする。まだ大阪と奈良残ってますからね、きっとまたお会いしましょうね、と近江八幡の駅でAさんと別れる。電車の時間まで少し時間があったので、Yさんとおみやげ買えないかな?と少し歩いてみたけどクラブハリエのものは見あたらなくて、二人ともおみやげ話と写真データと文具を持って帰ることになった。Yさんは加古川行き、わたしは米原行きの湖西線新快速に乗って。
 帰りの東海道線米原から豊橋まで直通だった。うつらうつらしながら名古屋駅で乗り換えのために電車を降りると、目の前がまぶしい。なんだこれはと寝ぼけ眼をこらすとそこには世界の山ちゃんがあった。駅のホームなのに。山ちゃんの写真をつれあいに送り、名駅着いたよお迎えお願い、とLINEした。楽しい一日を家に持ち帰るために。

 

 気さくに楽しくお話ししてくださった桃井さん、あたたかくのびのびと過ごせるようお気遣いいただいたリコーのみなさま、本当にありがとうございました。そして、今回ご一緒してくださったみなさま、人見知りのわたしにもどんどんお声がけくださりありがとうございました!おかげさまでとてもいい思い出になりました。またどこかでお会いできたら嬉しいです。

 

 以下、当日の写真です。すべてJPEG撮って出し。1枚目と最後は我がGRⅡ、それ以外はレンタルしたGRⅢx HDF。

GRⅡはポジフィルム調、GRⅢx HDFはネガフィルム調のエフェクトで撮影。

設定をあまり追い込む余裕がなかったのが心残り…!

3枚目にわたしがいます。ふふ。

DRAGONS CLASSIC LEGEND GAME 2024に行ってきた

 最近、いくつかの球団で行われているOB戦。このたびわれらがドラゴンズでも開催されると知り、ならば行くしかない!と行ってきた。

【公式】中日スポーツ創刊70周年記念 DRAGONS CLASSIC LEGEND GAME2024

 

 休みだったつれあいに先に入場してもらい、自由席を確保してもらう。送ってくれた入場列の写真を見ると長蛇も長蛇の列だったので、なんだかちょっと感動してしまった。平日の昼日中なのに、こんなに多くの人が見に来てるなんて。17時頃に入場すると、中はもうペナントレースの日のような混み具合だった。席についてビジョンを見上げると、85歳の権藤博監督と76歳の谷沢健一監督がバチバチ火花を散らしながら舌戦していた。

 OB戦ともなれば、正直知っている選手ばかりではない。88年優勝時のメンバーと言われても、わたしは当時3歳だったのだ。とはいえそんな心配は杞憂だった。場内に地元アナウンサーから紹介が流れるようになっていたし、なにより今日来てくれたという事実がうれしくて胸がいっぱいになってしまうのだ。スタメン発表の時の、拍手と同時に起こる「おぉ~」の歓声といったら!誰がスタメンにコールされたってうれしいのだ。
 試合は“スピードガンの申し子”小松さんと最優秀防御率かつセーブ王の鈴木さん先発でスタート。どちらも容赦なく打たれ、総合司会の森脇アナに突っ込まれ、ベンチリポートの大澤アナと高田アナのインタビューが随時はさまれた。選手のしゃべりを聞きながら見る野球は楽しい。インタビューにきた選手みんな笑いどころを作ってくるところがさすがで、思った以上にいっぱい笑った。宇野さんや英智さんの現役ばりの好守備あり、あわやホームランの大飛球あり(それも何本も)、120km/出すピッチャーあり、ということでプレイも存分に楽しんだ。権藤vs谷沢はやっぱりしびれた。かっこよかった。審判も、球審の篠宮さんはじめレジェンドばかり!これもしびれた。粋だった。
 胸いっぱいの帰路を歩いて帰り、つれあいと楽しかったねと言い合う。つれあいは「両監督の合意に基づき新ルールが追加される場合がありますって書いてあったけど、そんなのあったか?と言う。いっぱいあったよ、投手が打者完了していないのに交代したこととか。岩瀬がマウンドに上がる前に打者として出場したとか。憲伸が降板後に打者として出てそのままサードに入ったとか。自主的にリクエストを申告してビデオ判定を求めたり。そもそも初回の攻撃からしてファウルで盗塁していたのだ。両監督の合意とはなし崩しということだったんだな。

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 言ってみれば、元プロ野球選手たちによる壮大な草野球なのだ。だけど、それがこんなにも胸いっぱいになるとは。選手が誰であろうと、ワンプレーごとに大きな拍手、打席完了ごとに大きな拍手、投手交代ごとに大きな拍手が同じように巻き起こる。あたたかな楽しさに満ちていて、笑いながらもずっと胸いっぱいで、ずっと少し泣いていた。野球の新しい楽しみ方だった。帰り道の余韻がすごかったし、これを書いている翌朝もまだ余韻の中だ。

 

 プロ野球選手が現役でプレイできる時間は、本当に短い。まれにとても長い選手もいるけど、それでもごくごくまれ。昨日出場した選手の中にも、一軍出場経験がないまま球界を去った方もいた。それでも、彼らはみんなプロ野球選手だったのだ。

 彼らがプロ野球選手だった短い時間を知るファンの想いと、彼らが現役を退いてから過ごしてきた人生とが交錯する空間は濃密で、それでいてとてもあたたかかった。オールドファンも、若いファンも、親子連れや家族三世代も、わたしのつれあいのように最近のドラゴンズしか知らないファンも、同じようにドームに集う。この日までお互いに元気でいたことを喜ぶように、選手たちはグラウンドに立ち、ファンは拍手と声援を送る。それはそれは贅沢な夏の夜だった。

 素敵な機会をありがとうございました。次もまた行きたい!

だめになってしまう

 近ごろ、だめになってしまう日が多い。梅雨の少し前からだったので、気候のせいだと思ってもみたけど、梅雨が明けてかんかんと晴れていたってだめになってしまう。暑いせいにするにも限度があるような気がして、暑さに対して気が引けてしまう。

 だめになってしまうとどうなるのか、具体的に言うと世界とわたしとが断絶してしまう。わたしの感覚と世界とのチューニングが合わなくなり、脳みそがオブラートに包まれたようになってしまう。オブラートに包まれた脳みその回路はうまく回らなくなって、ぼんやりとただしんどいなぁと思い続けることになる。こういうときはSNSから離れて好きなことをするに限る。とはいえ、大好きな野球を見ていてもぼんやりしてしまうし(中日ドラゴンズの戦績がふるわないことを差し引いても)、黙々と手を動かし続ける作業しかできなくなり、ここ最近はずっと編み物ばかりしている。その編み物だって間違えたりしている。

 なんでだめになっちゃうんだ。同じ年ごろの人たちは仕事に子育てに趣味にと日々をパワフルに過ごしているように見えるのに、決して忙しくもない時短勤務で、子どももなく、つれあいに家事を多くやってもらい、趣味はあるけどだめになっていることのほうが多く遠出もできない。双極症という病気を考慮したとしても、あまりにだめになってるんじゃないか。 SNSを見ると、わたしがだめになっているあいだに、みんなみんなどんどん何かを成し遂げているような感覚に陥ってくる。焦る。どんどんだめになる。だから、SNSを見ないために編み物をしているふしすらある。SNSを見るための手をふさいで黙々と動かし続けること、それが救いのようになっている。

 わたしから見えている世界がすべてではないこと、それはわかっている。だけど、だめになってしまうと、うまくいかないわたしとうまくいっている(ように思われる)世界との隔絶のことばかり考えてしまい、京都水族館で前に買ったオオサンショウウオのぬいぐるみを抱いて横になってぼんやりと天井を見上げてしまう。手を伸ばしても天井には手が届かないし、世界にもやっぱり手は届かない。

 わたしの生き方が悪かったんだろうか。そう思い始めると思い当たるふししかなくて、いまさらやり直そうにも失敗ばかり抱えてしまって手はいっぱいだ。なにしろ時間は取り戻せない。過去の自分の積み重ねが今にあるということを思うとますます頭はだめになっていく。

 筋肉少女隊の「踊るダメ人間」の最後は、大槻ケンヂの「それでも生きていかざるをえない!」という台詞でしめくくられている。だめになるとよくこの台詞を思い出す。心の中のオーケンと一緒に、「それでも生きていかざるをえない!」と言ってみる。何度も何度もだめになるダメ人間だろうが、それでも生きていかざるをえないのだ。ダメ人間のままで、だめになっても、どうにか生きていかざるをえないのだ。

24.5.5 わたしにふぁぼを

 SNSがなぜ楽しいのかと訊かれたら「誰かの人生をのぞき見できるから」と答えるだろうな、とずっと思っていた。だけど、気づいたのだ。誰かの人生を見ている間、わたしはわたしの人生を見ていないじゃないか。

 最近、手帳をもっと活用したいなと思い、手帳術のYouTube動画を見たりしていた。そしてある動画を見てこのことに気づいたのである。なんということだろう。mixiから数えると20年近くもの間、わたしは誰かの人生を見続けていた。わたしの人生ではなくて。

 誰かの人生にふぁぼした数は数え切れないし、わたし自身の人生にふぁぼした数も数え切れない。ただ、わたしの人生をふぁぼった数は、誰かの人生をふぁぼった数より圧倒的に少ないことだけはわかる。そんな有様で自己肯定感が低いだの自分がすかすかだの自分がぺらぺらだの言ったところで当たり前なのだ。

 SNSを見るのはやはり楽しいのだ。ここ数年、分断を煽るような投稿が増えたと自覚していても、心を痛めながらでも見ることをやめられなかったのだ。だから、やめることはしない。ただ、見る時間は減らしていく。SNSに使っていた時間をもっともっとわたしに使って、ちょこっとずつでもわたしをふぁぼれるようになっていきたい。

 それにしても未だにツイッターと言ってしまうどころかふぁぼると言ってしまう。亡霊すぎるな。

24.4.28 昔も今もずっと懐かしい

フィルムカメラ*1と一眼レフを携えて松坂屋の屋上遊園に行く。ゴールデンウィーク明けにリニューアルのため閉鎖されると聞いたのだ。ここは小さいころも今も、30年以上ずっと懐かしい場所。数年前にあったゲーム機も一部撤収されてしまったので、懐かしい度はちょっと減ってるのだけど。

思いの外親子連れで賑わっていた。そしてどこまでも夏のような陽射しだった。ゆっくりとアンパンマンやらトーマスやらの車や小さな電車が周り、メルヘンなカラーリングのメリーゴーラウンドも回っていた。クレーンゲームにはすみっコぐらしのぬいぐるみが山積みだった。


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パンダも虎もぞうもアヒルもベンチもメリーゴーラウンドも、みんなどこへ行くのだろう。また会えるだろうか。

*1:今日持っていったのはCanon AutoboyS2。まだデート機能が生きている

24.4.22 わたしの薄さ

 体調がどうにも悪い中で睡眠外来と精神科に行く。精神科の主治医がお休みで代診の先生だった。

 精神科でのカウンセリングで、ここ数回は様々なアプローチから様々な話をしているのだけど、ここにきてわたしのしんどさの核心めいたものに触れてしまった。わたしは、わたしの都合や意思をちゃんと把握していないのではないか。わたしというものが実際はかなり薄いのではないか。その補助線は、わたしのしんどさのかなりの部分の手がかりに十分だった。

 ぼんやりと、そうだったのかとつぶやくように家に帰った。つれあいはわたしの顔を見るなり「よく帰ってきたね」と言った。冷蔵庫の中には、スーパーで買ってきてくれた杏仁豆腐があった。


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